実家じまいの進め方|2026年版・費用相場と失敗しない手順を中立解説
実家じまいとは(生前整理・遺品整理との違い)
実家じまいは、親が高齢になったとき、または親が亡くなったあとに、実家の家財・物・建物を整理して終わらせる一連の作業です。広い意味では「住まいをたたむ」こと全体を指します。
似た言葉との違い
- 生前整理:親が元気なうちに自分で進める整理。実家じまいの「前段階」として行うことが多い。詳しくは 生前整理ガイド をどうぞ
- 遺品整理:親が亡くなったあとに、家財・遺品を仕分けて処分する作業。実家じまいの「片付けフェーズ」に重なる。詳しくは 遺品整理 完全ガイド をどうぞ
- 空き家整理:実家が空き家になったあとに整理する作業。実家じまいの「片付け+管理・売却フェーズ」。詳しくは 空き家の遺品整理 をどうぞ
つまり実家じまいは「生前整理+遺品整理+空き家対応+売却」を包括した概念です。
始めるべきタイミング3パターン
実家じまいを始めるタイミングは大きく3つあります。どのパターンでも「先延ばしすると選択肢が減る」のが共通の鉄則です。
パターン1:親が元気なうち
最もスムーズなタイミング。親と一緒に「残す物・処分する物」を話し合えるので、感情的な負担も最小限。形見分けや権利関係の整理も生前にできます。子世代が30〜40代、親が60〜70代の段階で動き出すのが理想。
パターン2:介護施設への入所時
親が介護施設に入るタイミングで実家じまいに着手するパターン。住まなくなる実家を「空き家として維持」「売却」「賃貸」のどれにするか決める必要があります。家賃・固定資産税・空き家法のリスクを踏まえて判断を。
パターン3:相続発生後
親が亡くなったあとの実家じまい。遺品整理・相続手続き・売却を同時に進めることになり、最も負担が大きいタイミング。相続放棄を検討するなら相続の開始を知ってから原則3ヶ月以内に動く必要があります(詳しくは 相続放棄したら遺品整理はどうする?)。
実家じまいの費用相場
実家じまいにかかる費用は、「片付け(遺品整理)」+「処分費」+「売却・解体(必要なら)」+「相続手続き」の合算です。間取り別の片付け費用の目安は次のとおり。
| 間取り | 片付け費用(全国相場の目安) |
|---|---|
| 1R / 1K | 30,000〜80,000円 |
| 1LDK | 70,000〜200,000円 |
| 2LDK | 120,000〜300,000円 |
| 3LDK | 170,000〜500,000円 |
| 4LDK以上 | 220,000〜700,000円 |
これに加えて、解体する場合は100〜250万円、残置物がある状態での売却なら査定額が下がることもあります。費用の全体像は 遺品整理の費用相場2026、概算は 費用シミュレーター で30秒で出せます。
自分でやる場合の手順10ステップ
業者を呼ばずに自分で進める場合の流れです。「焦らず、貴重品から」が大原則。
- 家族で方針合意:兄弟姉妹で「残す物・処分する物・売却するか」を共有
- 貴重品・重要書類の確保:通帳・印鑑・権利書・保険証券・現金。これが最優先
- 形見分けの仕分け:写真・思い出の品を家族で分配。詳しくは 形見分けのマナー
- 家具・家電の仕分け:残す/売る/処分する/譲るの4分類
- 買取査定:着物・骨董・貴金属・ブランド品は 専門の買取業者 で別途査定
- 自治体の粗大ごみ申込:地域のルールで予約・処理券購入
- 家電リサイクル法対象品の処分:テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・衣類乾燥機は家電量販店経由か 家電リサイクル券センター で
- 残置物の処分:自分でゴミ収集場へ。大量なら自治体の持ち込み制度も検討
- 清掃・原状回復:賃貸なら退去まで/持ち家なら売却前提
- 建物の対応決定:空き家のまま維持/売却/解体/賃貸の4択
DIY整理の判断基準は 自分でやる?業者に頼む? も参考に。
業者に依頼する場合の判断基準
以下のいずれかに当てはまるなら、業者に頼む方が結果的に楽で安く済むことが多いです。
- 実家が遠方で、自分が定期的に通えない
- 退去期限が迫っている(賃貸の場合、家賃の日割り発生)
- 物量が多い(3LDK以上で物が詰まっている)
- 相続人が複数で、家族の時間調整が難しい
- 特殊清掃が必要(孤独死・長期不在の場合)
- 体力的・精神的に厳しい(高齢・闘病中・喪失感が強い)
業者選びの詳細は 業者の選び方7つのポイント、トラブル回避は トラブル事例 をどうぞ。
実家が遠方で自分で進められない場合や、相続人が複数で時間が取れない場合は、全国対応の紹介サービスを活用するのも一手。電話相談しやすい「遺品整理110番」は1社目の比較対象として参考になります。
遺品整理110番に無料相談する › まずは費用を試算する 公式:相談・見積もり無料/必ず複数社を比べてから決めましょう地域別の進め方(東京・横浜・大阪・名古屋)
実家じまいは地域の自治体ルールで進め方が変わるのが見落とされがちなポイント。粗大ごみの処理券の仕組み・申込窓口・出張費の傾向まで、地域別の解説を用意しています。
- 遺品整理を東京で頼む前に:23区別ルール、タワマン・狭小住宅の追加費用
- 遺品整理を横浜で頼む前に:横浜市資源循環局のルール、18区別の傾向
- 遺品整理を大阪で頼む前に:A券・B券の組み合わせ制、24区+周辺自治体
- 遺品整理を名古屋で頼む前に:16区別、中部圏(春日井・一宮・豊田)の出張費
トラブル事例と回避策
- 相続人合意なく処分:兄弟姉妹の同意なく価値ある品を処分してしまい、後に揉める。
→ 回避:事前に家族で「処分してOK」のリストを作る。 - 相続放棄を考えていたが、価値ある品を処分してしまった:相続を承認したとみなされるリスク。
→ 回避:判断に迷ったら専門家(弁護士・司法書士)に相談してから動く。 - 空き家のまま放置:空き家対策特別措置法で「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍になることも。
→ 回避:早めに維持・売却・解体の方針を決める。 - 業者の追加請求:見積もりより大幅に高い金額を当日請求される。
→ 回避:書面契約と追加料金の発生条件を事前確認。 - 貴重品紛失:通帳・現金・貴金属が見つからない。
→ 回避:業者作業前に自分で貴重品を確保。
より詳しい事例は トラブル事例と悪質業者の見分け方 をどうぞ。
よくある質問
Q. 実家じまいはどのくらいの期間がかかる?
A. 規模次第ですが、片付けだけなら1日〜数週間、売却まで含めると数ヶ月〜1年が目安。相続税の申告は相続開始から10ヶ月以内なので、売却を考えるならその期限を意識して動くこと。
Q. 兄弟で揉めたくないが、どう進めるべき?
A. 「方針を決める家族会議」を片付け前に1〜2回開くのが鉄則。「残す物・処分する物・売却の方針・費用負担」を文書化しておくと後の揉め事を防げます。話し合いが難しい場合は司法書士・弁護士の介入も。
Q. 売却する場合、片付け前と片付け後のどちらが有利?
A. 一般論として、片付け後の方が査定額が上がりやすいです。ただし「現状渡し」で安く買い取る不動産会社もあるため、複数の不動産会社で査定を取ってから決めるのが良いです。
Q. 空き家のまま放置するとどんなリスクがある?
A. 空き家対策特別措置法で「特定空家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れて最大約6倍になるリスク。さらに「管理不全空家」も同様の対象に。詳しくは 空き家の遺品整理 をどうぞ。
Q. 相続税が心配です。3,000万円控除は使える?
A. 親から相続した居住用不動産を相続開始から3年以内に売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)があります。条件があるので税理士に確認を。
Q. 親が元気なうちにできることは?
A. エンディングノートの作成、財産・契約・パスワードの一覧化、形見分けの仕分け、不要品の処分など。詳しくは エンディングノートの書き方 や 生前整理ガイド をどうぞ。
まとめ
実家じまいは「片付け+相続+売却・解体」を含む大きなプロジェクト。焦らず、家族で方針を決めてから動くことが鉄則です。先延ばしすると空き家リスク・税負担・相続トラブルが積み重なるため、親が元気なうちに始めるのが理想。費用感は 費用シミュレーター、流れは 遺品整理 完全ガイド、業者選びは 7つのポイント をどうぞ。地域別の具体的な進め方は 東京・横浜・大阪・名古屋 もあわせて参考に。
参考:公式情報
※税制・自治体ルールは変更されることがあります。最終確認は2026年6月時点。実際の手続き前に必ず最新情報をご確認ください。