遺品整理に関わる公的統計まとめ

遺品整理をめぐる状況は、官公庁が毎年公表している統計である程度まで数字で確かめられます。このページは、それらを一次資料から転記して1か所にまとめたものです。推計や独自調査は含めず、公表された実数と、そこから算術で求めた割合だけを載せています。出典URLは全件記載しています。
数値はすべて官公庁の公表資料からの転記です。当サイトが実施した調査ではありません。引用の際は、本ページではなく各統計の一次資料を出典として明記することをおすすめします。

自宅で亡くなった一人暮らしの人(警察庁)

警察庁は、警察が取り扱った死体のうち「自宅において死亡した一人暮らしの者」の数を年齢階層別・死亡からの経過日数別に公表しています。令和7年(2025年) の数値は次のとおりです。

項目
総数76,941体
うち65歳以上58,919体(76.6%)
うち65歳未満17,860体(23.2%)
うち年齢不詳162体

前年(令和6年(2024年))は76,020体で、警察取扱死体204,184体の37.2%を占めていました。令和7年(2025年)は76,941体となり、前年から921体(+1.2%)増えています。

この統計は警察庁刑事局捜査第一課に報告があったものを集計したものです。また「孤独死」という言葉には統一された定義がなく、この数字がそのまま孤独死の件数を意味するわけではありません。同居者がいない自宅での死亡という条件で集計されたもの、として読んでください。

「孤独死は年間◯万人」という統計は存在するのか

結論から言うと、国が「孤独死」という名前で統一的に集計した統計は見当たりません。「孤独死」に法令上の定義が無く、どこまでを含めるか(発見までの日数、同居の有無、自殺・事故を含むか)が定まっていないためです。

そのため、全国規模で継続的に公表されている最も近いデータが、上の警察庁の統計になります。報道や記事で見かける「孤独死◯万人」という数字も、この統計を指していることがあります(※どの数字を根拠にしているかは記事ごとに異なるため、確認が必要です)。

「孤独死の件数」として数字を見かけたら、何を数えたものかを確認してください。同じ「孤独死」でも、自治体が独自に集計したものと警察庁の統計では対象範囲が違うため、単純に比較したり足し合わせたりはできません。

年齢階層別の内訳

年齢階層構成比
15歳未満0体
15〜19歳57体0.1%
20〜24歳352体0.5%
25〜29歳401体0.5%
30〜34歳429体0.6%
35〜39歳546体0.7%
40〜44歳874体1.1%
45〜49歳1,508体2.0%
50〜54歳3,091体4.0%
55〜59歳4,477体5.8%
60〜64歳6,125体8.0%
65〜69歳8,058体10.5%
70〜74歳11,004体14.3%
75〜79歳13,412体17.4%
80〜84歳11,366体14.8%
85歳以上15,079体19.6%
不詳162体0.2%

最も多いのは85歳以上(15,079体)、次いで75〜79歳(13,412体)です。一方で65歳未満も17,860体(23.2%)を占めており、高齢者だけの問題として片付けられない実態が読み取れます。

死亡から発見までの日数

遺品整理の現場では、発見までの日数が費用を大きく左右します。特殊清掃が必要になるかどうかが、ここで決まるためです。

経過日数総数うち65歳未満うち65歳以上構成比
0〜1日28,398体5,888体22,502体36.9%
2〜3日15,865体3,541体12,321体20.6%
4〜7日10,456体2,253体8,185体13.6%
8〜14日7,570体1,798体5,752体9.8%
15〜30日7,504体2,001体5,460体9.8%
31〜90日5,195体1,636体3,515体6.8%
91〜180日1,273体478体778体1.7%
181〜365日472体180体288体0.6%
366日〜208体85体118体0.3%
総数76,941体17,860体58,919体100%
  • 28,398体(36.9%)は1日以内に発見されています
  • 一方で32,678体(42.5%)は発見まで4日以上かかっています
  • 7,148体(9.3%)は31日以上。うち366日以上が208体です

65歳未満のほうが発見が遅れている

この統計で見落とされやすいのが、年齢層による発見までの日数の差です。31日以上かかった割合を年齢層別に計算すると、次のようになります。

年齢層31日以上かかった数その年齢層に占める割合
65歳未満2,379体13.3%
65歳以上4,699体8.0%

65歳未満のほうが、発見までに31日以上かかる割合が高くなっています。高齢者には見守りや介護サービスなど発見のきっかけが複数あるのに対し、現役世代は日常的に安否を確認される機会が少ないことが背景にあると考えられます(※この理由の部分は統計に書かれているものではなく、編集部による解釈です)。

空き家の数(総務省)

2023年(令和5年)10月1日現在 の総住宅数は6504万7千戸、そのうち空き家は900万2千戸で、空き家率は13.8%でした。いずれも過去最多・過去最高です。

項目2023年2018年
空き家数900万2千戸848万9千戸51万3千戸の増加
空き家率13.8%13.6%0.2ポイント上昇
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家385万6千戸36万9千戸の増加

「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は、いわゆる使われないまま残っている住宅です。総住宅数に占める割合は5.9%で、遺品整理・実家じまいと直接関わるのはこの区分です。

空き家数の推移(45年)

調査年空き家数空き家率
1978年2,679千戸7.6%
1983年3,302千戸8.6%
1988年3,940千戸9.4%
1993年4,476千戸9.8%
1998年5,764千戸11.5%
2003年6,593千戸12.2%
2008年7,568千戸13.1%
2013年8,196千戸13.5%
2018年8,489千戸13.6%
2023年9,002千戸13.8%

1993年から2023年までの30年間で約2倍です。

この数字が遺品整理にとって意味すること

統計から読み取れることを、遺品整理の実務に引きつけて整理します。ここからは編集部による解釈です。

  • 「発見が遅れた場合」は例外ではない——4日以上かかったのが42.5%です。特殊清掃が必要になる可能性を、最初から選択肢に入れておいたほうが現実的です
  • 現役世代でも起こる——65歳未満が23.2%を占め、しかも発見までの日数は高齢者より長い傾向です。親の家の話としてだけでなく、自分の備えとしても考える余地があります
  • 空き家は増え続けている——30年で約2倍。遺品整理のあとに「誰も住まない家が残る」のは、統計的にはむしろ標準的な結末です

費用の目安は 遺品整理の費用相場2026、発見が遅れた場合の対応は 孤独死の遺品整理特殊清掃の費用相場、空き家として残った場合は 空き家の遺品整理・片付け にまとめています。

出典一覧・引用について

統計公表元・資料名公表
自宅で亡くなった一人暮らしの人(令和7年(2025年))警察庁刑事局捜査第一課「警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者(令和7年)」令和8年4月
同(令和6年(2024年))警察庁「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」
空き家(2023年(令和5年)10月1日現在)総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」令和6年9月25日

統計の一覧ページは 警察庁「死体取扱状況」総務省「令和5年住宅・土地統計調査」 です。

引用について——本ページの表・数値の引用を歓迎します。ただし数値はいずれも官公庁の公表資料からの転記であり、当サイトが作成したデータではありません。引用の際は上記の一次資料を出典として明記してください。本ページを併記いただける場合は「遺品整理の手帖」とURLの明示をお願いします。
数値は公表時点のものです。各統計は毎年(住宅・土地統計調査は5年ごと)更新されるため、最新の数値は出典リンクから確認してください。本ページの最終更新日は 2026-08-16 です。

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