自治体のごみ出し支援・手数料減免まとめ(主要7市)

先に結論から。遺族が遺品整理の費用に直接使える補助金は、調べた範囲では見つかりませんでした。実在するのは「ごみを家の中から運び出してもらえる支援」「手数料の減免」の2つです。このページは主要7市の制度を各自治体の公式ページから転記して横断比較したものです。出典URLは全件記載しています。

遺族が遺品整理の費用に直接使える補助金は、調べた範囲では見つかりませんでした。実在するのは主に次の2種類です。①ごみを家の中や玄関先から運び出してもらえる「持ち出し支援」②一定の条件に当てはまる世帯の手数料の「減免」。どちらも対象は原則として本人の状況(年齢・要介護度・障害の状況など)で判断されるため、遺族が遺品整理で使えるとは限りません。

「遺品整理の補助金」は本当に無いのか

「遺品整理」に関わる公的な助成がまったく存在しないわけではありません。たとえば東京都大田区には「入居者死亡保険加入費の助成(残存家財(遺品)の整理等)」という制度があります。ただしこれは遺族ではなく大家(賃貸人)が受ける助成で、単身高齢者の入居を受け入れやすくするために、残存家財(遺品)の整理費用・居室修繕清掃費用・逸失家賃を補償する保険の加入費の50%(上限5,000円)を助成するものです。遺族が遺品整理の費用に充てられる制度ではありませんが、賃貸物件で身内が亡くなった場合、大家側がこうした保険に加入しているケースがあることは知っておくと、原状回復費用の話し合いで役に立ちます。

このように自治体独自の制度が存在する場合があります。このページは主要7市のごみ関連制度をまとめたものなので、お住まいの自治体に独自の支援がないかは、別途窓口でご確認ください。

出典:入居者死亡保険加入費の助成(残存家財(遺品)の整理等)/東京都大田区(2026年9月時点で確認)

7市の比較(一覧)

自治体持ち出し支援の名称家の中から運ぶか追加料金
札幌市さわやか収集大型ごみは家の中から運び出して収集(生活ごみは玄関先)記載なし
横浜市粗大ごみ持ち出し収集自宅内に入って収集する支援と明記通常の粗大ごみ収集と同額の手数料(持ち出しの追加料金は記載なし)
名古屋市なごやか収集第三者の立ち会いのもと、家の中から回収記載なし
大阪市ふれあい収集(粗大ごみ)記載なし記載なし
京都市ごみ収集福祉サービス(まごころ収集)自宅の玄関先まで収集(家の中からの運び出しは記載なし)記載なし
神戸市大型ごみの宅内からの持ち出し支援宅内から可。ただし2人で持ち出せない物、取り外し・解体が必要な物、動線が確保できない場合、玄関口から出せない物は対象外大型ごみの処理手数料に加えて1点あたり600円
福岡市粗大ごみ持ち出しサービス屋内または玄関前から持ち出して収集粗大ごみ手数料のほかに、屋内から1個500円/玄関先から1個300円

名称が市ごとにバラバラなのが分かります。「さわやか収集」「なごやか収集」「まごころ収集」「ふれあい収集」——同じような制度でも呼び名が違うため、お住まいの市の名称で検索しないと見つかりません。

持ち出し支援——家の中から運んでもらえるか

ごみステーションまで運べない方のために、職員が自宅まで収集に来る制度です。ただし「どこまで入ってくれるか」と「追加料金」が市によって違います。

自治体どこから運ぶか追加料金安否確認
札幌市大型ごみは家の中から運び出して収集(生活ごみは玄関先)記載なし希望者には収集時に声掛けによる安否確認
横浜市自宅内に入って収集する支援と明記通常の粗大ごみ収集と同額の手数料(持ち出しの追加料金は記載なし)記載なし
名古屋市第三者の立ち会いのもと、家の中から回収記載なし記載なし
大阪市記載なし記載なし記載なし
京都市自宅の玄関先まで収集(家の中からの運び出しは記載なし)記載なしごみ出しがない場合、登録された連絡先への電話連絡等により安否確認
神戸市宅内から可。ただし2人で持ち出せない物、取り外し・解体が必要な物、動線が確保できない場合、玄関口から出せない物は対象外大型ごみの処理手数料に加えて1点あたり600円記載なし
福岡市屋内または玄関前から持ち出して収集粗大ごみ手数料のほかに、屋内から1個500円/玄関先から1個300円記載なし

注目したいのは追加料金の差です。神戸市は1点あたり600円福岡市は屋内から1個500円・玄関先から1個300円が粗大ごみ手数料とは別にかかります。一方で横浜市は通常の粗大ごみ手数料と同額とされています。点数が多いほど差が出るため、事前に確認しておく価値があります。

手数料の減免——対象は自治体でまったく違う

ここが最も差の大きい部分です。同じ政令市でも、減免の対象になる人がまったく違います。

自治体手数料の減免
札幌市大型ごみ手数料の減免は記載なし。家庭ごみ有料化の減免は紙おむつサービス利用者と2歳未満の乳幼児がいる世帯が対象で、指定ごみ袋の交付
横浜市粗大ごみ処理手数料の減免制度あり。生活保護世帯、特定中国残留邦人世帯、身体障害1級・2級、知的障害A1・A2、精神障害1級、重複障害、福祉医療証交付のひとり親世帯、要介護4または5の65歳以上、自己搬入が困難な70歳以上のひとり暮らしで福祉保健センター長が認めた方。1世帯あたり年間4個まで(4月1日〜翌年3月31日)
名古屋市記載なし
大阪市記載なし
京都市一般廃棄物処理手数料の減免制度はあるが、火災等の災害で生じた廃棄物が対象。生活保護等による減免や、大型ごみが対象かは記載なし。申請は各区役所・支所の地域力推進室
神戸市記載なし
福岡市記載なし

横浜市は対象と上限を明示しています。生活保護世帯や要介護4・5の高齢者世帯などを対象に、1世帯あたり年間4個まで粗大ごみ処理手数料を免除しています。

一方京都市の減免は「火災等の災害で生じた廃棄物」が対象で、生活保護等による減免や大型ごみが対象かは公式ページに記載がありませんでした。札幌市の減免は指定ごみ袋の交付(紙おむつサービス利用者・2歳未満の乳幼児がいる世帯)で、大型ごみ手数料の減免は記載がありません。

「他の市にあるから自分の市にもあるはず」とは考えないでください。

自治体ごとの詳細

札幌市

制度名さわやか収集
対象介護保険サービスや障害福祉サービスを利用していて、ごみステーションに排出することが困難な方
どこから運ぶか大型ごみは家の中から運び出して収集(生活ごみは玄関先)
追加料金記載なし
安否確認希望者には収集時に声掛けによる安否確認
手数料の減免大型ごみ手数料の減免は記載なし。家庭ごみ有料化の減免は紙おむつサービス利用者と2歳未満の乳幼児がいる世帯が対象で、指定ごみ袋の交付

「引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみ」の専用ページがあり、400リットル(40リットルの袋で10袋)以下なら計画的に通常収集へ、超える場合は市の許可業者へ依頼するよう案内している

出典:さわやか収集家庭ごみ有料化の減免制度引越しや遺品の整理などで一時的に多量に出るごみの処理について

この地域の遺品整理は 札幌市 の遺品整理ガイド にまとめています。

横浜市

制度名粗大ごみ持ち出し収集
対象ひとり暮らしで粗大ごみを指定場所まで持ち出せない方(身体障害者手帳・愛の手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者、要介護認定者、65歳以上でごみ搬出が困難な方、妊婦やけが人などで事務所長が認めた方)
どこから運ぶか自宅内に入って収集する支援と明記
追加料金通常の粗大ごみ収集と同額の手数料(持ち出しの追加料金は記載なし)
安否確認記載なし
手数料の減免粗大ごみ処理手数料の減免制度あり。生活保護世帯、特定中国残留邦人世帯、身体障害1級・2級、知的障害A1・A2、精神障害1級、重複障害、福祉医療証交付のひとり親世帯、要介護4または5の65歳以上、自己搬入が困難な70歳以上のひとり暮らしで福祉保健センター長が認めた方。1世帯あたり年間4個まで(4月1日〜翌年3月31日)

出典:粗大ごみ処理手数料の免除について知りたい粗大ごみを自宅の外まで持ち出せない方(粗大ごみ持ち出し収集)

この地域の遺品整理は 横浜市 の遺品整理ガイド にまとめています。

名古屋市

制度名なごやか収集
対象定められた場所まで持ち出すことが困難な高齢者や障害者等のひとり暮らし世帯
どこから運ぶか第三者の立ち会いのもと、家の中から回収
追加料金記載なし
安否確認記載なし
手数料の減免記載なし

粗大ごみは2026年(令和8年)10月1日に手数料が改定される。基準は収集日

出典:粗大ごみなどを一人で家の中から搬出できず、定められた場所に持っていけない場合

この地域の遺品整理は 名古屋市 の遺品整理ガイド にまとめています。

大阪市

制度名ふれあい収集(粗大ごみ)
対象満65歳以上、身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳の交付を受けている方、要支援または要介護の認定者、親族等が大阪市内に居住していない方(粗大ごみのふれあい収集に限る)のいずれかで、親族等の協力が得られず自らごみ出しが困難な、市内在住のひとり暮らしの方
どこから運ぶか記載なし
追加料金記載なし
安否確認記載なし
手数料の減免記載なし

対象要件が拡大され、「親族等が市内に居住していない」場合も対象になった

出典:【粗大ごみのふれあい収集】対象要件を拡大しました

この地域の遺品整理は 大阪市 の遺品整理ガイド にまとめています。

京都市

制度名ごみ収集福祉サービス(まごころ収集)
対象ごみ出しが困難な高齢者や障害のある方など
どこから運ぶか自宅の玄関先まで収集(家の中からの運び出しは記載なし)
追加料金記載なし
安否確認ごみ出しがない場合、登録された連絡先への電話連絡等により安否確認
手数料の減免一般廃棄物処理手数料の減免制度はあるが、火災等の災害で生じた廃棄物が対象。生活保護等による減免や、大型ごみが対象かは記載なし。申請は各区役所・支所の地域力推進室

出典:京都市ごみ収集福祉サービス(まごころ収集)について一般廃棄物処理手数料(ごみ処理手数料)の減免に関する御案内

この地域の遺品整理は 京都市 の遺品整理ガイド にまとめています。

神戸市

制度名大型ごみの宅内からの持ち出し支援
対象要介護認定者・要支援認定者・障がい者(年少者同居を含む)のいずれかのみで構成される世帯
どこから運ぶか宅内から可。ただし2人で持ち出せない物、取り外し・解体が必要な物、動線が確保できない場合、玄関口から出せない物は対象外
追加料金大型ごみの処理手数料に加えて1点あたり600円
安否確認記載なし
手数料の減免記載なし

出典:大型ごみの宅内からの持ち出し支援ひまわり収集(高齢者・障がい者等へのごみ出し支援)

この地域の遺品整理は 神戸市 の遺品整理ガイド にまとめています。

福岡市

制度名粗大ごみ持ち出しサービス
対象粗大ごみを所定の場所まで運ぶことができない65歳以上の高齢者、障がい者、その他特に必要がある方
どこから運ぶか屋内または玄関前から持ち出して収集
追加料金粗大ごみ手数料のほかに、屋内から1個500円/玄関先から1個300円
安否確認記載なし
手数料の減免記載なし

人力(3人)で持ち出せない物、玄関口から出ない大きな物は対象外。取り外し・解体や、他の物を移動しないと持ち出せない場合も収集できない

出典:粗大ごみ持ち出しサービス

この地域の遺品整理は 福岡市 の遺品整理ガイド にまとめています。

遺品整理でこの制度は使えるのか

ここが最も誤解されやすい点です。結論から言うと、遺品整理で使えるとは限りません。理由は4つあります。

  • 対象になるかは原則として本人の状況(年齢・要介護度・障害等)で判断されます。遺族が遺品整理のために使えるとは限りません。
  • 多くの制度は事前申込制で、面談や審査を伴う場合があります。退去期限が迫っている遺品整理では間に合わないことがあります。
  • 持ち出し支援は点数や品目に制限があることが多く、家一軒分の家財を一度に出す用途は想定されていません。
  • 制度の有無・条件・金額は自治体ごとに大きく異なります。必ずお住まいの自治体の公式ページで確認してください。

これらの制度は「本人が生きているうちに、自分で出せないごみを出す」ための仕組みです。亡くなった後の家財整理をまとめて処分する用途は、基本的に想定されていません。

ただし札幌市のように「遺品の整理」を名指しで案内しているページを持つ自治体もあります。札幌市は一時的に多量に出るごみについて、400リットル(40リットルの袋で10袋)以下なら計画的に通常収集へ、それを超える場合は市の許可業者へ依頼するよう案内しています。まずお住まいの市に「遺品整理で大量に出る」と伝えて相談するのが確実です。

粗大ごみの申込方法・手数料そのものは 主要都市の粗大ごみ制度データベース、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の扱いは 家電リサイクル料金一覧 にまとめています。業者に頼む場合の費用は 遺品整理の費用相場、安く抑える方法は 遺品整理を安くする9つの方法 を参照してください。

よくある質問

Q. 遺品整理に使える補助金はありますか?

A. 調べた範囲では、遺族が遺品整理の費用に直接使える補助金は見つかりませんでした。実在するのは、ごみを家の中や玄関先から運び出してもらえる「持ち出し支援」と、一定の条件に当てはまる世帯の手数料の「減免」です。いずれも対象は原則として本人の状況で判断されます。なお東京都大田区には遺品の整理費用を補償する保険への加入費を助成する制度がありますが、これは遺族ではなく大家が受けるものです。自治体独自の制度がある場合もあるため、窓口でご確認ください。

Q. 亡くなった親の家の片付けで、持ち出し支援は使えますか?

A. 使えるとは限りません。これらの制度は「本人が自分で出せないごみを出す」ための仕組みで、対象条件も本人の年齢・要介護度・障害の状況などで判断されます。また事前申込制で面談や審査を伴う場合があり、点数や品目にも制限があることが多いため、家一軒分をまとめて処分する用途は想定されていません。まずは自治体に相談してください。

Q. 家の中から運び出してもらえますか?

A. 自治体によって異なります。札幌市は大型ごみを家の中から、名古屋市は第三者の立ち会いのもと家の中から、横浜市は自宅内に入って収集すると明記しています。神戸市は宅内からの持ち出しに対応する一方、2人で持ち出せない物や解体が必要な物は対象外です。京都市は玄関先までの収集と案内しています。

Q. 追加料金はかかりますか?

A. かかる市とかからない市があります。神戸市は大型ごみ手数料に加えて1点あたり600円、福岡市は屋内から1個500円・玄関先から1個300円が別途必要です。横浜市は通常の粗大ごみ収集と同額とされています。他の市は公式ページに記載がありませんでした。

Q. 手数料の減免はどこの市にもありますか?

A. ありません。横浜市は生活保護世帯や要介護4・5の高齢者世帯などを対象に年間4個まで免除していますが、京都市の減免は火災等の災害で生じた廃棄物が対象、札幌市は指定ごみ袋の交付が対象で、名古屋市・大阪市・神戸市・福岡市は今回確認した範囲では記載がありませんでした。「他の市にあるから自分の市にもある」とは考えず、お住まいの自治体で確認してください。

このページは各自治体の公式ページに書かれている内容だけを転記しています。確認できなかった項目は推測で埋めず「記載なし」と表示しました。「記載なし」は「制度が無い」という意味ではありません。公式ページに書かれていなかった、という意味です。制度・条件・金額は変更されることがあるため、利用前に必ず出典リンクと各自治体の窓口で最新をご確認ください。

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